修理の事例紹介
“映像機器”No.11

2011年7月からアナログ放送が終わり全国が地上デジタル放送に切り替わりました。

地デジ対応テレビへの切り替えなど、地デジ放送への切り替え期間を設けていたとはいえ、切り替え直後でも様々なトラブルにより多くの人々が地デジを見れないままになっていた、もしくは現在もなっている人もおそらくいるのではないかと思います。

地デジへの切り替え政策は、地デジへの切り替えで各種情報受信量が格段に増えたり、防災や災害時の対応等の関連情報をダイレクトに入手できるようになったというメリットは大変大きいですが、その切り替えについての説明や対応、対策については半ば強引であり、切り替えについての説明や対応については十分とは決して言えなかったために、不満の声も少なくなかったと思います。

その中で起きたトラブルを一つ、レポートしたいと思います。

そのトラブルは、特定のチャンネルの番組がしばしばもしくは全く見れなかったり、見れたとしても映像が乱れてよく見れなかったりするというトラブルです。

今回の原因を一つ一つ調べていくと、
一つとしてアンテナとテレビを繋いでいる同軸ケーブルが細い3Cであることがわかりました。
地デジやｂｓ、ｃｓなどデータの容量アップに伴い、3Cよりも線が太い5Cが近年の標準ケーブルとなっています。
地デジでも5Cを推奨している事から、これが原因ではないかと見て、まずはここから変えてみようということで、作業を開始しました。

通常の住宅では壁に埋め込まれたテレビ用の同軸ケーブル接続ジャックがあり、そことテレビを繋いでいる家庭がほとんどだと思いますが、今回の住宅では建物が古く、壁にはテレビ用のジャック接続パネルがない古民家なので、壁や柱をつたって天井を突き抜けて屋根裏を這わしてアンテナと接続しています。
このため、これらすべての同軸ケーブルを撤去して新たに5ｃの同軸ケーブルを一から引き直す作業をする事となりました。

というわけで早速、屋根裏へ登り、旧けの撤去開始です。

屋根裏は暗くてホコリも多く、足の踏み場所に気をつけなければ、天井を突き破って下に落ちてしまう危険があったり、ムカデなどの害虫がいたりするかもしれないので、できれば踏み入れたくない場所ですが、決心してフル装備、いざ屋根裏へ！

下の部屋の位置を想像しながら、ホコリが積もっている梁の上を慎重に歩いて進み、目的の同軸ケーブルを探します。
同軸ケーブルは梁などに固定されておらずフリーな状態で発見。全て撤去した後で新しい同軸ケーブルを引きなおしました。

屋根裏から降りて同軸ケーブルの両端にコネクターを取り付けて、一方は地デジテレビへ、もう一方はアンテナへ繋ぎなおします。
複数台テレビがある場合や増幅器を設置している場合は、それらとアンテナを繋いでいる分配器に繋いで完了です。

さてテレビをつけて確認すると、映りが悪かったり見れなかったチャンネルが鮮明に映るようになりました。

３Cの同軸ケーブルで繋いでも地デジ対応テレビでだいたいの地デジチャンネルが見れるだけに、こういったトラブルに気づかなかったりしている方も多いのではないかと思います。特にこのトラブルは、当時３Cの同軸ケーブルが標準だった、比較的高齢者の方が多く住まれている建築年数が20年以上前の住宅に多い問題と思われ、潜在的にはかなりの件数に上ると予想できます。

 

投稿者：Repair 7.net/リペア セブン ネット運営　　株式会社オルタナティブ

作成日：2012年07月29日